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●不妊治療を、この1年間に171名に行い、101名(59.1%)が妊娠に至りました。 平成17年4月から平成18年3月末までの1年間に妊娠を希望して当院に来院された方は236名でしたが、治療が3周期未満の方42名と不妊相談(カウンセリング)のみの16名、計58名を除いた178名が解析対象となりました。
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●171名中101名が妊娠(妊娠率59.1%)しました。 178名の中から無精子または高度乏精子症の5名と早期卵巣不全の2名の計7名が含まれましたので、その7名を除いた171名の内、妊娠に至った方は101名(妊娠率59.1%)でした。
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●開院以来4年間で287名が妊娠。 平成14年3月に開院以来、平成17年3月末までに、平成14年度50名、15年度57名、16年度79名、17年度101名と順調に増え、のべ287名となりました。
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治療法 |
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症例 |
妊娠 |
妊娠率 |
流産 |
流産率 |
双胎 |
タイミング |
107 |
41 |
38.3 |
7 |
17.1 |
0 |
排卵誘発剤(経口) |
101 |
43 |
42.6 |
4 |
9.5 |
1 |
卵巣刺激注射 |
35 |
15 |
42.9 |
5 |
33.3 |
3 |
IVF-ET |
6 |
2 |
33.3 |
0 |
0 |
1 |
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全体 |
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171 |
101 |
59.1 |
16 |
15.8 |
5 |
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AIH |
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38 |
19 |
50.0 |
5 |
26.3 |
3 |
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●タイミング療法だけでも107名中41名(38.5%)が妊娠 治療法別では、超音波検査による卵胞径及び子宮内膜厚の測定、子宮頚管粘液性状の確認、尿のLH検査などによるタイミング療法のみで107名中41名(妊娠率38.8%)が妊娠にいたりました。
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●排卵誘発剤等経口剤で101名中43名(妊娠率42.6%)が妊娠。 次に、排卵障害や黄体機能不全、さらにはタイミング療法のみでは妊娠に至らなかった方々に対し、経口の排卵誘発剤であるクロミッドやシクロフェニールが投与され、それに加えて、高プロラクチン血症に対してカバサール、また、多嚢胞性卵巣症候群(PCO)に対して、メトフォルミンが投与され、101名中43名(42.61%)が妊娠に至りました。
●卵巣刺激注射で35名中15名(42.9%)が妊娠。 さらに経口の排卵誘発剤でも排卵に至らなかったり、妊娠に至らなかった方々にHMGやFSHなどの卵巣刺激注射が35名に行われ15名(妊娠率42.9%)が妊娠に至りました。
●体外受精・胚移植での妊娠は6名中2名(33.3%)。 上記の一般不妊治療にて妊娠に至らなかった方々に、当院でも体外受精・胚移植(IVF・ET)を一昨年から開始し、この一年では6名に7周期の新鮮胚移植と1周期の凍結融解胚移植、平成16年度に凍結していた胚の融解胚移植を1名に施行させていただきました。 7名の年齢は28歳から37歳(平均年齢33.1歳)で、新鮮胚移植の6名は全員、採卵・胚移植にまで至りました。31歳と35歳の2名が妊娠(胚移植あたりでは28.6%、症例別で33.3%)に至り、2名とも順調に経過していますが、融解胚移植は2例2周期とも残念ながら妊娠には至っていません。症例数が少なく、精度管理等、今後の検討課題ですが、妊娠率の向上を目指して日々努めています。 ※平成18年度10月までの6例中、新鮮胚移植では4名が妊娠に至っています。
●双胎妊娠は5名(58名中5名8.6%)。 排卵誘発療法の副作用ともいえる双胎妊娠は5名で、内容はクロミフェン療法1名(43名中1名2.3%)、卵巣刺激注射3名(15名中3名20.0%)と体外受精胚移植の1名(2名中1名)でしたが、体外受精の方は1児が妊娠週での胎内死亡となり単胎妊娠となりました。また、卵巣刺激注射によって妊娠された方の中に、両側卵管同時妊娠が1名おられました。
●夫婦間人工授精(AIH)では、38名中19名(症例別妊娠率50.0%)が妊娠。 上記治療に併せて、IUI(intarauterine
insemination 子宮内人工授精)やFSP(fallopian tube sperm
perfusion 卵管内精子注入)などのAIH(artificial
insemination 夫婦間人工授精)が38名に施行され、19名(50.0%)が妊娠に至っています。 AIHはのべ132周期に行い、周期毎の妊娠率は14.47%(132週期中19周期)でした。体外受精胚移植移行前、24周期に施行された複数回の不成功のAIHを除くと、108周期で19周期(17.6%)が妊娠に至ってます。
●流産は、101名中16名(流産率15.8%)でした。 妊娠された101名のうち、子宮外妊娠5名5.0%)を含む16名(15.80%)が流産に終わりました。 タイミング療法では41名中6名(流産率14.6%)、経口の排卵誘発剤が43名中6名(流産率14.0%)、卵巣刺激注射が15中4名(流産率26.7%)が流産に終わり、体外受精・胚移植による妊娠2名では流産はありませんでした。
●通気テストや子宮卵管造影検査(HSG)後、半年以内に78名中34名(妊娠率43.64%)が妊娠。 通気テストや子宮卵管造影検査(HSG)などの卵管通過性の確認検査は78名に行われました。検査後半年以内に34名(43.6%)が妊娠に至り、1年後にはさらに11名が加わり計45名(57.7%)が妊娠に至りましたので、一般不妊治療における卵管疎通性検査の重要性4名の両側卵管閉鎖が発見され、残り59名中25名(42.4%)が妊娠に至っていますので、一般不妊治療における卵管疎通性検査の重要性が今年も再認識されました。
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