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●不妊治療を、この1年間に170名に行い、89名(52.4%)が妊娠に至りました。 平成19年1月から平成19年12月末までの1年間に妊娠を希望して当院に来院された方は250名でしたが、治療が3周期未満の方52名と不妊相談(カウンセリング)のみの20名の計72名を除いた178名が解析対象となりました。
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●170名中89名が妊娠(妊娠率52.4%)しました。 178名から無精子症の3名、高度乏精子症の3名、早期卵巣不全の1名および両側卵管閉鎖1名の計8名を除いた170名のうち妊娠に至った方は89名(妊娠率52.4%)でした。 体外受精・胚移植等の生殖補助医療を除く、一般不妊治療では164名中87名(53.0%)が妊娠に至りました。なお、無精子症と高度乏精子症は、泌尿器科に紹介しています。
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●開院以来5年10ヵ月で、のべ437名が妊娠。 平成14年3月に開院以来、平成19年12月末までの5年10ヵ月で、平成14年度50名、15年度57名、16年度79名、17年度101名、18年度80名に平成19年89名のうち平成19年4月から12月末までの70名に加えて、のべ437名となりました
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治療法 |
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症例 |
妊娠 |
妊娠率 |
流産 |
流産率 |
双胎 |
タイミング |
103 |
41 |
39.8 |
3 |
7.3 |
0 |
排卵誘発剤(経口) |
96 |
30 |
31.3 |
3 |
10.0 |
0 |
hMG or
FSH |
29 |
16 |
55.2 |
3 |
18.8 |
0 |
体外受精 |
新鮮胚 |
5 |
2 |
40.0 |
0 |
0 |
0 |
融解胚 |
2 |
0 |
0 |
- |
- |
- |
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全体 |
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170 |
89 |
52.4 |
9 |
10.1 |
0 |
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AIH 症例別 |
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33 |
16 |
48.5 |
3 |
18.8 |
0 |
AIH 周期別 |
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68(周期) |
16 |
23.5 |
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●タイミング療法だけで103名中41名(39.8%)が妊娠
治療法別では、タイミング指導のみや超音波検査による卵胞径及び子宮内膜厚の測定、子宮頚管粘液性状の確認、尿のLH検査などによるタイミング療法のみで103名中41名(妊娠率39.8%)が妊娠にいたりました。
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●経口の排卵誘発剤で96名中30名(妊娠率31.3%)が妊娠。 次に、排卵障害や黄体機能不全、さらにはタイミング療法のみでは妊娠に至らなかった方々に対し、経口の排卵誘発剤であるクロミフェン(商品名:クロミッド)やシクロフェニール(商品名:セキソビット)、高プロラクチン血症に対してカルベゴリン(商品名:カバサール)、また、多嚢胞性卵巣症候群(PCO)に対して、メトフォルミン(商品名:グリコラン)やレトロゾール(商品名:フェマーラ)が投与され、96名中30名(31.3%)が妊娠しました。
●卵巣刺激注射で29名中16名(55.2%)が妊娠。 さらに経口の排卵誘発剤でも排卵に至らなかったり、妊娠に至らなかった方々にhMGやFSHなどの卵巣刺激注射が29名に行われ16名(妊娠率55.2%)が妊娠に至りました。
●体外受精・新鮮胚移植での妊娠は5名中2名(胚移植あたり妊娠率40.0%)。 一般不妊治療で妊娠に至らなかった方々に、当院でも体外受精・胚移植(IVF・ET)を平成15年度から開始し、この一年間では6名の方に体外受精をさせていただきました。 6名の年齢は30歳から37歳(平均年齢33.8歳)で、新鮮胚移植の5名5周期のうち32歳の1名と37歳の1名が妊娠(胚移植あたり妊娠率40%)に至り、二方とも無事出産されています。 凍結融解胚移植は2例2周期とも残念ながら妊娠には至っていません。今後も症例を積み重ねて、妊娠率の向上を目指しています。
●双胎妊娠は0名。 排卵誘発療法の副作用ともいえる双胎妊娠は0でした。
●夫婦間人工授精(AIH)では、33名中16名(症例別妊娠率48.5%、周期別妊娠率も23.5%)が妊娠。 上記治療に併せて、IUI(intarauterine
insemination 子宮内人工授精)やFSP(fallopian tube sperm
perfusion 卵管内精子注入)などのAIH(artificial
insemination 夫婦間人工授精)を33名に行い、16名(48.5%)が妊娠に至っています。 AIHはのべ68周期に行い、周期別の妊娠率は23.5%(68週期中16周期)でした。
●流産は、89名中10名(流産率11.2%)でした。 妊娠された89名のうち、10名(11.2%)が流産に終わりました。子宮外妊娠も1名にありました。 タイミング療法では39名中4名(流産率10.3%)、経口の排卵誘発剤が30名中3名(流産率10.0%)、卵巣刺激注射が16名中3名(流産率18.8%)で、体外受精・胚移植による妊娠2名では流産はありませんでした。
●通気テストや子宮卵管造影検査(HSG)後、半年以内に74名中28名(両側卵管閉鎖の1名を除く73名中28名妊娠率38.4%)が妊娠。 通気テストや子宮卵管造影検査(HSG)などの卵管通過性の確認検査は74名に行われました。1名が両側卵管閉鎖でした。検査後半年以内に28名(38.4%)が妊娠にいたりましたので、一般不妊治療における卵管疎通性検査の重要性が今年も再認識されました。
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