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●不妊治療を、この1年間に217名に行い、118名(54.4%)が妊娠に至りました。 平成20年1月から平成20年12月末までの1年間に妊娠を希望して当院に来院された方は283名でしたが、治療が3周期未満の方37名と不妊相談(カウンセリング)のみの13名の計50名を除いた233名を解析対象としました。
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●210名中118名が妊娠(妊娠率56.2%)しました。 233名から男性因子の10名(無精子症1名、静止数が500万/ml未満の高度乏精子症7名、運動率が10%未満の精子無力症2名)、早期卵巣不全(早発閉経)の3名および両側卵管閉鎖3名の計16名を除いた217名のうち妊娠に至った方は118名(妊娠率54.4%)でした。 生殖補助医療である体外受精・胚移植等を除くと、一般不妊治療では210名中118名(56.2%)が妊娠に至りました。
※無精子症と高度乏精子症の方は希望があれば、泌尿器科に紹介しています。
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●開院以来6年10ヵ月で、の555名が妊娠。 平成14年3月に開院以来、平成20年12月末までの6年10ヵ月で、平成14年度50名、15年度57名、16年度79名、17年度101名、18年度80名に平成19年89名のうち平成19年4月から12月末までの70名の計437名に平成20年の118名を加えて、のべ555名となりました。
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治療法 |
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症例 |
妊娠 |
妊娠率 |
流産 |
流産率 |
双胎 |
タイミング |
129 |
47 |
36.4 |
5 |
10.6 |
0 |
排卵誘発剤(経口) |
126 |
43 |
34.1 |
5 |
11.6 |
2 |
hMG or
FSH |
51 |
28 |
54.9 |
5 |
17.9 |
3 |
小計 |
210 |
118 |
56.2 |
15 |
12.7 |
5 |
体外受精 |
新鮮胚 |
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6 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
融解胚 |
5 |
0 |
0 |
- |
- |
- |
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全体 |
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217 |
118 |
54.4 |
15 |
12.7 |
5 |
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AIH 症例別 |
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38 |
23 |
60.5 |
2 |
8.7 |
1 |
AIH 周期別 |
99(周期) |
23 |
- |
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クロミッド・AIH |
19 |
6 |
31.6 |
1 |
16.7 |
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hMG・AIH |
22 |
16 |
72.7 |
2 |
12.5 |
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●タイミング療法だけで118名中47名(39.8%)が妊娠
治療法別では、タイミング指導のみや超音波検査による卵胞径及び子宮内膜厚の測定、子宮頚管粘液性状の確認、尿のLH検査などによるタイミング療法のみで129名中47名(妊娠率36.4%)が妊娠にいたりました。
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●排卵誘発剤等経口投与で126中43名(妊娠率34.1%)が妊娠。 排卵障害や黄体機能不全、また、タイミング療法のみでは妊娠に至らなかった方々に対し、経口の排卵誘発剤であるクロミフェン(商品名:クロミッド)やシクロフェニール(商品名:セキソビット)、高プロラクチン血症に対してカルベゴリン(商品名:カバサール)、また、多嚢胞性卵巣症候群(PCO)に対して、メトフォルミン(商品名:グリコラン)やレトロゾール(商品名:フェマーラ)が投与され、126名中43名(34.1%)が妊娠しました。
●卵巣刺激注射で51名中28名(54.9%)が妊娠。 排卵誘発剤でも排卵に至らなかったり、妊娠に至らなかった方々にhMGやFSHなどの卵巣刺激注射が51名に行われ28名(妊娠率54.9%)が妊娠に至りました。
●多胎妊娠は5名(品胎妊娠1名、双胎妊娠4名)。 排卵誘発療法の副作用ともいえる多胎妊娠は5名(118名中5名 4.2%)で、品胎1名、双胎4名でした。 治療別では、経口の排卵誘発剤投与で2名(クロフェミンによる品胎1名、シクロフェニールによる双胎1名、 43名中2名4.7%)卵巣刺激注射により3名(双胎3名、 28名中3名10.7%)でした。
●夫婦間人工授精(AIH)では、38名中23名(症例別妊娠率60.5%、周期別妊娠率も23.2%)が妊娠。 タイミング療法や排卵誘発療法に併せて、IUI(intarauterine
insemination 子宮内人工授精)やFSP(fallopian tube sperm
perfusion 卵管内精子注入)などのAIH(artificial
insemination 夫婦間人工授精)を38名に行い、23名(症例別妊娠率60.5%)が妊娠に至っています。 AIHはのべ99周期に行い、23周期で妊娠し、周期別の妊娠率は23.3%でした。
●卵巣刺激注射+AIHにて22名中16名(72.7%)が妊。 一般不妊治療で最も上のレベルである、卵巣刺激注射+AIHが22名に行われ、 16名(72.7%)が妊娠に至っています。 排卵誘発剤投与+AIHは19名に行われ、6名(31.6%)が妊娠に至っています。
●流産は、118名中15名(流産率12.7%)でした。 妊娠された118名のうち、15名(12.7%)が流産に終わりました。子宮外妊娠も2名(1.7%)にありました。 治療法別では、タイミング療法では47名中5名(流産率10.6%)、排卵誘発剤等の経口投与で43名中5名(流産率11.6%)、卵巣刺激注射で28名中5名(流産率17.9%)が流産となりました。
●通気テストや子宮卵管造影検査(HSG)後、半年以内に112名中43名(妊娠率38.4%)が妊娠。 通気テストや子宮卵管造影検査(HSG)などの卵管通過性の確認検査を19年7月から20年12月までに133名に行いましたが、両側卵管閉鎖3名、男性因子6名、検査後3周期未満でその後の経過の分からない12名の計21名を除いた113名で、検査後半年以内に43名(38.4%)が妊娠に至りましたので、一般不妊治療における卵管疎通性検査の重要性が今年も再認識されました。 通気テスト後の妊娠率は84名中26名(妊娠率31.0%)、HSGでは42名中17名(妊娠率40.5%)が検査後半年以内に妊娠に至っています。
●体外受精・胚移植での妊娠は残念ながらありませんでした。 一般不妊治療で妊娠に至らなかった方々8名に、体外受精・胚移植(IV-ET)をさせていただきました。 8名の年齢は31歳から38歳(平均年齢34.4歳)で、内訳は、新鮮胚移植6名と平成17年と18年党員でのIVF-ETにて妊娠、分娩し、その際に凍結保存していた初期胚を今回融解胚移植した2名でした。 新鮮胚移植1名では、採卵するも受精卵が得られず、その後、顕微授精可能施設に紹介しました。 新鮮胚移植5名に6周期の新鮮胚移植と、3周期の凍結融解胚移植を行いましたが、残念ながら1例の妊娠も無く、3名に男性因子がありましたので、顕微授精可能施設に紹介しました。 妊娠分娩後の冷凍融解胚移植は2例2周期に行いましたが、今回は妊娠には至りませんでした。
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